NSRとモトジムカーナ

モトジムカーナ車両を語るのに外す訳にはいかないのがNSRです。

正式にはホンダNSR250R

使われる車両は主にと言うか殆どがMC21という型式です。乾式クラッチのSPやSE、スタンダードは限定されていないようですが型式ということになるとMC21が好まれるようです。

このマシンは前の記事にもあったTチャンプも使用するマシンであり、リザルトが全てのモトジムカーナにおいて成績の出ているマシンを真似るのが最もポピュラーかつ近道であるからというのが理由の1つだと思います。

 

2023年現在においても往年の旧車2ストマシンであるこのNSRがいまだに TOPを走り続けているのもこの競技の特徴であります。良くも悪くも、、、

 

いや悪いだろ。他のレース界隈から見てもこれは異常な状況だと思います。現在でもA級からノービスクラスまで数多くの台数が参加しており、そのポテンシャルの高さを証明しています。

 

ジムカーナ仕様のNSRの特徴はアイデンティティとも言えるフルカウルとセパレートハンドルを剥がし、訳のわからないヘッドライトもどきを装着してアップハンドル化してあります。

 

ジムカーナしかした事のない輩の中にはNSRは元からこの姿だと錯覚する者もいるとかいないとか。世も末です。

 

ジムカーナにおいてNSRがここまで愛されるのにはもちろん理由があり、チャンピオンが使用しているというのはもちろんの事、他にはその扱い易い特性もあります。2サイクルエンジンならではのアクセルを開け始めた辺りのボヤッとしたトルク特性

それでいて高回転まで回ればおよそ60馬力近く発生するパワー。平均速度50キロにも満たないモトジムカーナコースにおいてそれ以上の暴力的な馬力は不必要であるとも言えます。

 

ジムカーナ向きのバイクという話はまた別の機会にするとしてNSRの話だけということにしても

まず、軽量ハイパワーである。高剛性なアルミフレームにスイングアーム、細い車体に短いホイールベース、ハイグリップタイヤが履けるという所にあります。

 

それに多くのにわかジムカーナ選手が勘違いしている事があります。NSRは決して上級者向きの気難しいマシンでは無く、最初にキッチリと整備されたマシンであれば驚くほどコストの掛からないバイクであるという事です。カスタムに至ってはCB400のトップブリッジを流用してアップハン化するだけ。サスペンションも何もかもノーマルでほぼ、チャンピオンマシン同等のポテンシャルを手に入れることが出来る夢のマシンでもあります。現在の車体価格が高額なのは否定できないものの、外観の汚い車両を安く入手出来るのであれば、迷う事なく手を出してもいい選択肢の1つになります。

 

話を戻して..、

 

細くてハイパワーなバイクになら他にも沢山あるだろ?と思ったそこの一般人。

 

このバブル時代に造られたマシンを超えるバイクが中々現れないのです。パーツも豊富にあり、挙句にはホンダ純正部品すら再販されてしまうという悲劇。

 

レギュレーションで2ストマシンが禁止されない以上モトジムカーナ会場から白煙と甲高いチャンバーサウンドが消えることはないでしょう。

 

もとい、レギュレーションで禁止になるとは到底思えないので国が法律で禁止することになる以外には、、、