モトジムカーナ向きバイク①

今回は過去に何度もネタにされているジムカーナ向きバイクについて独断と偏見に基づいて解説してみようと思います。散々既出だとは思いますが改めて最新版として聞き流してください。

参考までに2022年のダンロップ 杯最終戦に出場している車両を元にポピュラーなものから変わり種までピックアップしてみたいと思います。

数が多くなりそうなので何回かに分けて書いていきます。

  • ホンダ NSR250R

言わずと知れたチャンピオンマシン。モトジムカーナ業界においてコレを知らない人は確実にモグリです。

現役のチャンピオンやA級トップ勢も数多く使用しているバイクで、過去の戦績を見ても数え切れない程の好成績を収めています。軽量、高剛性、ハイパワー、サーキット仕込みの旋回性能、ショートホイールベースに加えて開け始めのドラビリが重要なジムカーナにおいて2ストらしくボンヤリして扱いやすい特性。それでいて中低速から過不足ないトルクがありそのまま高回転まで一気に吹け上がります。

どんなレイアウトのコースにも順応し、弱点という弱点が見当たらない、強いて言うなら維持管理のシビアさ位でしょうか。

見た目は写真のようにカウルが取り払われアップハン化した車両がほとんどです。軽量化されたジムカーナ車両ともなると車重120キロを下回るとか。

令和の現代においてもトップクラスからノービスクラスまで幅広い層に選ばれる最も間違いのない車両です。

  • スズキ DRZ400SM

ジムカーナ向きバイクのモタードモデルとしてすぐに名前の上がるマシンです。メーカー純正状態からトップを狙えるポテンシャルがあり、扱いやすい特性と排気量からくるトルクとパワー。レーサーや2ストモデル程ではないにしろ軽く細身の車体でトップクラスからノービスまで選ばれています。生産終了から暫くが経過して若干台数も減ってきた感はありますが、カスタムの幅も広く、レーサーのキャブやマフラーで武装し、社外ホイールを含めた軽量化やスイングアームへのショート加工、サスペンションのストロークカットなど細部まで手を入れた車両はレーサーモタードに引けを取らないポテンシャルを発揮します。スズキのメーカーで初めて総合優勝を獲得したバイクでもあり、今でも選択肢としてありな車両です。

  • ホンダ VTR(250)

こちらのバイクもモトジムカーナ界では言わずと知れたジムカーナベースマシンとして誰もが知るバイクに成長しました。丈夫で壊れにくい。とにかく懐が深く初心者や女性にも扱い易い。アクセルが開けやすくフラットに立ち上がるトルク特性で平均速度を落とさずにコースを駆け抜けます。最初に紹介した同じメーカーのNSR250Rから足周り等の流用出来るパーツも多く、先人達のノウハウも豊富で最も早くリーズナブルに即戦力として戦えるマシンを作る事が出来ます。2009年からFI車へフルモデルチェンジしていますがキャブ仕様同様にどちらもそのポテンシャルは変わりません。現在もB級からノービスまで最も多くのエントリーをしているジムカーナ1のスタンダードモデルと言えるでしょう。

 

発売当初からポストVTRのジムカーナスタンダードマシンになりうると期待され、今でも数多く使われるヤマハのミドルバイクです。250と同じベースに320ccエンジンを積み、VTRと比較しても一回り太いトルクとパワーでマシンを前に進めます。重量やホイールベースも戦うには十分なポテンシャルを秘めていてA級のM選手を筆頭に力強い走りを見せています。ここからは筆者の偏見になりますが、ジムカーナにおける極低速のドラビリがVTRと比較すると若干気難しくECUチューニングを施しても少し乗り手を選ぶ印象。フレーム剛性も良くも悪くも硬く遊びが少ない印象を受けますが、裏を返せば十分なパワーとトルクを高回転まで回して進入のブレーキングで思い切り負荷を掛けても耐えうる懐を感じます。

ヤマハ党の方には兄弟車のYZF-R3と共に是非選んで頂きたいバイクです。