SBクラスについて

 

モトジムカーナは排気量やバイクのジャンルに限らずどんな車両でも参加できる敷居の低い競技です。同じコースを1台づつ2回走ることが出来、50ccでも2400ccでも同じ条件で戦う事が出来ます。

 

そんなジムカーナに一つだけ別枠に分類されるクラスがあります。それがSB(シードビッグバイク)クラスです。

 

↓以下はJAGEのレギュレーションからの抜粋です。

 

 

SBクラス:シードビックバイククラスとしての表彰および昇級


全クラス、混走700cc 以上およびJAGEが特別認定した車輌。(現在対象車輌はありません)
対象の選手をエントリークラスとは別にこちらでピックアップしSBクラスとして表彰しますので、特にSBク ラスとしてのエントリー手続きは必要有りません。
エントリーは従来通り行ってください。総合成績における昇級やポイント獲得も従来通りあります。 通常のポイントとは別にSBクラスのみ独自のポイントを設けます。 SBクラスの順位で1位から15位迄にポイントを与え、A級昇格への対象ポイントとします。(但しポイント
獲得は総合トップタイムより 107%未満の選手に限ります、SB級のポイントは総合順位でのポイントと は無関係のものとします。)
    
 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 20 17 15 13 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
○ 通常の昇級に加えて、それとは別にSBクラスのみ独自のA級昇格基準を設けます(詳細は通常規 定に準じます)。
A 級:過去の認定大会の上位成績者で、JAGE事務局が認定した者。

 

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要約すると排気量700cc以上のバイクで出場するシード選手を対象に総合とは別の順位付けをし、トップタイム比107%未満のタイムを記録した選手を対象に15位までSBポイントを与え、それをA級への昇格基準にするというものです。

 

まず、シード選手の中で上記SBクラスの条件を満たす参加者はどれくらい居るのか?参考までに2023年の開幕戦で37人2戦で30人ほど。

SBポイントの獲得条件は107%未満なので実質C2クラスやC1クラスの半分より下位の選手は実質対象外になります。

そうなるとSBポイントを争う選手は最も参加人数が多いD杯でも15人から20人程度、その大会によって異なりますが、107%を切れる選手が5人くらいしか出ない大会もあります。

ここでよく話題に上がるのが

SBクラスでA級昇格する事への是非です。

 

総合順位でA級昇格するには総合ポイント30ポイント以上、尚且つ年間シリーズポイントランキング10位以内といった暗黙のボーダーラインがあります。

 

現在のA級出場者の多さとB級を含めた選手層の中で、安定して毎戦平均して6ポイント以上を獲得するのには技量はもちろん、メンタル、資金、運、環境等、

尋常ならざる努力と条件が必要です。

 

それでも昇格していく選手が、いるのですが...

 

それと比較してしまうとSBクラスとしての昇格条件はどうしても難易度が下がる事は否めないのです。

 

ちなみにこれも暗黙の了解ですがSBポイントによる昇格基準はSBポイント50ポイント以上というのが1つの指標となっていますが、この辺りも曖昧です。

50ポイントに満たなくても昇格した選手もいますし、入賞せずに昇格したもの、C1クラスから飛び級で昇格し、その後一度も105%を切れなかったり出場そのものをしない者など様々です。

話を元に戻しまして...

 

まず、先ほど言ったように争う選手の母数が圧倒的に少なく、ポイント獲得条件が105%ではなく107%未満だと言う事。そのルールは

元来、大きくて重たいバイクを手足のように華麗に操るのがジムカーナ初期のルーツであったこと、過去のSBクラス車両はGPZやFX、ゼファー1100や750、ZRX1100、GSF1200、GPX750、CB750等が主流であった頃からの名残であると言えます。

 

2000年台以降、軽量コンパクトなスーパースポーツジムカーナ仕様にカスタムした車両が台頭してから総合順位の中にSB車両が食い込むことも当たり前になってきました。

現在その象徴とも言える選手がGSX-R1000に乗るT選手で事実彼は総合順位で見てもかなりの好成績を残しています。

総合と比較してタイム的にも立ち位置的にも下に見られがちなこのクラスの地位を一気に持ち上げた立役者とも言えると思います。

事実、現在A級SB勢のトップ争いはかなり高いレベルにあり、近い将来その中の誰かが総合優勝を掴み取る未来も予想出来なくもありません。

 

とは言え、車両変更をするとすぐに忘れられてしまうのもこの業界の常ですが、キングS選手も近年ZRX1200RやGSX-S1000を駆り同様の成績を残している事も忘れてはなりません。

出る杭は打たれるもので、そうなると

あんなに軽くてコンパクトなハイパワーバイクがSBクラスだなんておかしい!

などと文句を言う選手も出てきますが、そんな罵詈雑言はお門違いであり、その大半が嫉妬や負け惜しみや妬みによるものです。そう思うなら真似をすればいいわけですし。

 

全ての選択は選手の自由であり、レギュレーションに違反していないのであれば誰に何を言われる事も無いのです。

A級昇格を狙う為に排気量の大きい車両に乗る事も

A級昇格後に別の車両に乗り換えるのも自由。

全てはリザルトで語れば良いと思います。

 

ましてや参加もしていない外野からとやかく言うのは便所の落書きよりどうでも良いことなのでおありがたくシカトして差し上げましょう。