モトジムカーナ向きバイク②

  •  ホンダ CB250R

ここ数年で一気に参加台数を増やしてきた今まさに旬なバイク。VTRが生産終了して次なるジムカーナスタンダードマシンとしての期待に十分に応えているマシンだと思います。昨年同マシンでA級昇格を果たしたS選手が持ち出してから一気に火がつきました。

とにかく軽く小さな車体に単気筒のパンチのあるエンジンを積んでいます。元から小さい車両に兄弟モデルのスイングアームを移植する事によりなんとホイールベースを1300mmまで短縮させる事が出来るので普通にターンをしてもまるでミニバイクのような回転半径を見せます。

エンジンは高回転の伸びがあまり良くない為、中低速のトルクを上手く利用して車速を落とさない走りをします。新車で買えて価格も抑えめに1からマシン作りをしてトップクラスまで戦えるポテンシャルが今注目を集めています。

先日書いたSBクラス車両の中で、今最も総合優勝に近いマシンがコレです。スーパースポーツ車両をベースにしたジムカーナマシンが多い中、特に選ばれています。その理由はやはりエンジンの扱い易さとトルク特性が挙げられます。排気量が大きい為、速度域の低いジムカーナでは低中速メイン寄りの走行となる為、エンブレが弱く扱いやすさに一役買っています。

軽量コンパクトな車両に有り余るトルクとパワー。写真のT選手が使用してリザルトを残しているのも参加台数を増やす要因になっていると思われます。

軽量化やホイールコンバート、ECUチューニングによりミドルバイクのような鋭い切り返しも見せます。

今後暫くはSBクラスの主役の座を譲らない雰囲気と風格すら感じます。

  • スズキ GSX-R750

先程のGSX-R1000同様に台数を増やしているのがR750です。スズキ独自のカテゴリーで古くからGSX-R600の車体をベースに750ccのエンジンを積んでいる為、ミドルクラスよりトルクフルでリッタークラスよりも軽快な走りをします。車体の剛性や作りなどはSSモデルならではで申し分なくレギュレーション規定の700cc以上もクリアしている為、全てのクラスでとても人気の高いビッグバイクとなっています。

スズキのスーパースポーツは排気量、年式を問わずジムカーナにおいては他のメーカーより扱い易い特性として知られており

現在でもトップクラスからノービスまで様々なカスタムをされた車両が走っています。

現行モデルであるこの2車種は基本構成は同じで250と共通の軽量コンパクトな車体に48馬力3.8kgものトルクを発生するエンジンを搭載。車重166キロとスペック上、バイクが盛んだった90年代のスポーツバイク同等のレベルに達しています。実際にジムカーナに使用してもスペックだけではない素性の良さと旋回性能、よくしなるフレームやアフターパーツの多さでトップクラスで戦えるだけのポテンシャルを発揮します。その事はA級のベテランS選手が証明済みであり、何よりも新車で購入出来るというのはベースマシンとしても安心ですし、まだまだこれからの可能性を秘めている車両だと言えると思います。VTR同様、素性の良いマシンはそれほど最初からガツガツカスタムしなくてもしっかり競技レベルの走りが出来る事で、このバイクは正にそれだと思います。個人的には性能が申し分ない代わりに排気音が残念なのが玉に瑕。同じエンジンを搭載する新型車カワサキエリミネーターの行く末が心配でなりません。