白バイとモトジムカーナ
二輪ジムカーナを人に説明する時に皆さんどうしているでしょうか。
一般にある程度認知されているのは画像のような白バイの競技会の映像ではないでしょうか。
全国で行われるグッドライダーミーティングや警察主催の講習会、バイクメーカーやショップ主催のライダーズミーティング等
パイロンを並べてそれらをかいくぐりながら走行するシーンは一般から見た時には全て同じに見えますし、その最高峰だと認識されているのが最初に言った警察官の白バイによる競技会映像だと思います。
これらはよく
公道最速!
や
絶対に逃げられない!
のようなフレーズと共に紹介されていてもちろんそのように周知されているのは職務の性質上、当たり前とも言えますし、そうでなくてはなりません。
まるで白バイみたいだ
とか
この人ら白バイ隊員になれるんじゃね?
のように白バイの傾斜走行を基準にしたものが見受けられます。しかし現実には速い、遅いだけを基準に言えば、これら白バイの走行はジムカーナの走行動画より
圧倒的に遅いです。
一般の方には、にわかに信じられない話だと思いますが事実です。もちろんそれには理由があって
白バイ隊の名誉の為に言わせてもらうと
白バイはVFRや CB1300SBベースの元から比較的重量がある車体にパニアケース他様々な装備を着けています。車重300キロ近くあるバイクにツーリングスポーツタイヤ、更に彼らはバンク角を深く取る事をルール上制限されていてバンクセンサーが接地すると減点扱いとなります。
転倒は言わずもがな極力避けなければならないし安全かつ、スムースでそれでいて速いという矛盾したような技術が求められています。
単純なタイム的な速さで言ったら白バイとジムカーナ選手のスラロームを比較した場合、ジムカーナ車両に乗ったノービス上級選手とさほど変わらないでしょう。
そこで勘違いしたジムカーナを少し齧ったライダーが白バイを後ろから煽り倒してイキがったりしてしまう事も稀に見られますが、恥ずかしいのでやめましょう。
白バイの中の人もただ速く走るための装備や車両を用意してムキになって走れば貴方より速い方も多いと思います。
例えるなら陸上選手と言えど鉄ゲタをはかされた状態でランニングシューズを履いた一般人と戦うのは不本意だと思いますし、ハナから土俵も畑も違うのです。
なので、一見同じことをしているように見える白バイの傾斜走行とモトジムカーナの走行は似て非なるものなのです。比べる事自体がおかしいと思ってください。
ちなみによく映像に使われる彼等は白バイ隊の中でも特別訓練隊(特練)と呼ばれ、競技会の為に日夜アホみたいに練習しています。
なので一般の職務に当たっている隊員はもう少しショボいです。オマケに一般のライダーから見て上級者に見える自動車教習所の二輪指導員や二輪車普及安全協会の指導員も趣味で夢中になって技術を磨いたりジムカーナ系の練習をしている一部の人間以外はハッキリ言ってショボいです。
少し口が悪かったですね。
しかし他の言い方が見当たらないので
雑魚です。
それ程にモトジムカーナにおけるパイロンコースを使ったスラローム走行のレベルは先鋭的なモノになっています。見た目の地味さ故に一般には伝わりにくいのです。
その理由としてジムカーナの絶対的な価値基準はタイムであり、タイムでしか優劣を付けないからです。全ての選手が他の誰よりも早く、千分の1秒でも早くゴールの光電管を切る事を目的に切磋琢磨している結果、ガラパゴス的な進化を遂げたものだと思っています。