モトジムカーナ向きバイク③

2014年にヤマハの新型3気筒モデルとして発売された当時、ジムカーナマシンとして期待する者が多かったが、動きすぎる前後サスペンションや過敏とも言える味付けのエンジン特性、エンジン搭載位置により圧倒的に足らないバンク角も相まって気付けば殆どの選手が手を引いたバイク。

しかし2021年シリーズに当時B級だったI選手が圧倒的な速さでSBクラスシリーズチャンピオンを獲得しA級に昇格した事で、このマシンのポテンシャルを証明したことになりました。ECUチューニングや前後サスペンションの設定をしっかりと熟せば軽量でありながらリッターSSよりも豊富で湧き出る低速トルクで一気に加速する。それでいて大型車の中では抑えめの価格設定なのでこれから始めるという方も是非選んで欲しい1台。ちなみに現行型はノーマル状態でも初期型に比べて大分乗りやすくなっているようです。

MT-09と同時期にヤマハから発売されたクロスプレーンクランク並列2気筒の大型バイクであり、当時の中型並みの車体にトルクフルなエンジンで扱い易く誰でも気軽に操作する事が出来ます。ジムカーナではA級S選手が2015年のジムカーナJAPANで総合優勝を果たしています。いま現役A級で使用している選手は居ませんが、数多くの選手がこのバイクで参戦しています。シーンを選ばない走行性能があり、手に入れ易いマシンでもあるのでこれから始める方にもオススメ出来る車両です。

スズキのGSXシリーズに主権を奪われる前まではジムカーナでSSと言えばカワサキの10Rが席巻していました。写真のA級O選手が2014.2015年と2年連続でSBクラスシリーズチャンピオンを獲得して圧倒的な力を見せつけています。とにかくパワーがあり、それでいて扱い易い中低速トルク。アクセルを撚ればどんな速度からもフロントが持ち上がる程のハイパワーマシンです。200馬力にも達する暴力的なパワーをねじ伏せながら走る様は見ている者をも熱くさせます。硬すぎるフレーム剛性もサスセッティングさえ決まれば路面に吸い付くように安定したターンを見せます。現在でもトップクラスからノービスまで幅広く選ばれているモデルです。

  • ホンダ CRF450

ジムカーナ界隈でレーサーベースのジムカーナバイクが増えてきた昨今、モトクロッサーベースのモタードの先駆者とも言えるA級Y選手を始め、その他のクラスにも何台かエントリーしているバイク。大元を辿れば勝つ為だけに造られたモトクロッサーがベースなので100キロ程の車体に推定60馬力程のエンジンを積んだこのマシンは短い距離であればリッターSSをも凌駕するダッシュ力を見せます。文字通りジャジャ馬なこのバイクをライダーの操作や身体移動で繊細に走らせるのにはそれなりの技量が必要とされる乗り手を選ぶマシンだとも言えます。初心者に手放しで勧められるバイクではありませんが本当に勝ちたい人に向けての選択肢となりうるでしょう。